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住宅コンサルタント 野中先生の「不動産投資のよくわかる」コラム

07マンション投資「新築」と「中古」どちらにするか?

①購入先の違いは?

新築の場合は、そのマンションの売主である会社や、提携している販売会社などから購入する事になります。
中古の場合は大きく2種類に分かれます。
ひとつは中古マンション業者が買い取った物件を購入するケースです。投資用の中古マンションを扱っている会社は多くあります。お寿司屋さんに例えると、人気のあるお寿司屋さんが朝市場で鮮度の高い魚を仕入れるように、中古マンション業者も市場からリーズナブルな割にはクオリティの高い物件を仕入れて売主として販売しています。
もう一つは個人の所有者の方が自分のマンションを売る場合で、不動産屋さんなどが仲介をするケースです。買う人は仲介の不動産屋さんから物件を紹介されることになります。

②価格の面では

マンションは一般的には同じ場所で同じような広さ・仕様のマンションの場合は中古の方が価格は安いと言えます。
ただし様々な要因により周辺の新築マンション相場が上昇すればそれに連動して中古マンション価格も上がる場合もあります。
同じ中古のマンションでも不動産会社などが売主として販売する場合は仲介手数料はかかりません。個人売主からの仲介の場合は仲介手数料がかかり、さらに仲介手数料にも消費税がかかります。

③資金計画(ローン)の面では

新築マンションの場合は販売会社が提携ローンの紹介もしてくれる場合も多いので、頭金も少なく比較的ローンも組みやすいと言えます。
中古の場合は、中古マンションを取り扱っている不動産会社から購入すると提携ローンなどがある場合もあります。
不動産屋さんの仲介物件の場合は、購入者本人が銀行などと折衝してローンを組む必要があります。但し近年ではあまりにも古い物件、例えば1981年6月1日以前の旧耐震物件で耐震改修がなされていない場合、銀行によっては住宅ローンの対象としないケースもあります。
大切な事はたとえ現金で購入する場合でも「ローンが付きやすい物件」を買う事が将来の資産価値に有利になるという事です。
また新築のマンションの場合は35年とか長期のローンが組めますが、中古の場合は築年数によりローンを組める期間が変ってくる場合もあるので注意が必要です。

④利回りの面では

利回りは家賃とマンション価格の割合で決まります。家賃が同じならばマンション価格が安い方が利回りは高くなります。
家賃自体を比較すると、新築マンションの場合は中古と比べて建物や設備のクオリティが高く、建物の外観や室内なども新しい事も加わり家賃が高くなる傾向となっています。しかし中古マンションの方は家賃は低いですが価格も安い事が多いので、中古の方が利回りが高い傾向にあります。
また利回りも重要ですが入居率が安定しているかどうかもチェックが必要です。

⑤入居率の面では

新築の場合は比較的入居者も付きやすく、しばらくは空室の心配は少ないと考えられます。
中古の場合は、すでに入居者がいる場合と、空室の場合があります。
入居者がいる場合には、引き続き賃料収入が入りますので、資金計画も立てやすいと思います。入居者がいない場合は、つまり退去した状態の場合は、不動産会社によってはリフォームをしてリノベーションマンションとして売り出している場合もあります。
リフォームすることにより賃料や入居率が上昇する場合もあります。仲介物件の場合は自費でリフォームをする必要があるので、こうした費用も見込んでおく必要もあります。
新築でも中古でも賃貸マーケットは需要と供給の関係で決まります。新築だから賃貸が付きやすいとか中古だから付きづらいという訳ではありません。
また中古の物件が多いエリアにおいては入居率を高める努力をする物件とそうでない物件では差が出てきます。例えば最近流行っている最新のIoT設備を導入したり、お風呂にミストサウナをつけたりちょっとした設備投資により入居率も変っていきます。

⑥設備の維持管理費の面では

設備面では、新築の場合はすべて新品で保証も付いています。しばらくは設備機器の維持管理では心配は少ないと言えます。
最近では中古マンション会社が販売するマンションでは給湯器やガスコンロ、クーラーなどの設備保証を導入している場合もあります。どのような設備におけるアフターサービスがあるかもチェックしましょう。
仲介物件の場合は、設備なども経年により劣化し、交換・修理などが必要な場合や大幅なリフォームが必要な場合もあります。中古の場合はこうした費用も勘案しておく必要があります。
ただし新築でも時間が経過すれば中古となりますので、将来の維持管理費用は考えておく必要があります。

⑦建物の耐久性と管理は

投資用マンションをローンで購入する場合、ローン終了後もマンションが収益物件としてきちんと稼動している必要があります。
仮に35年ローンを組んだ場合には、新築ですとローン終了時には築35年ですが、築10年の中古を購入した場合は、ローン終了時に築45年となります。築年数が古くなるほど修繕箇所も増えてくるので、適切な修繕工事が行われているかどうかポイントとなってきます。
大規模修繕工事の実施には、毎月支払われる修繕積立金が使われます。長期修繕計画が策定されているか、また修繕積立金は十分かどうかを確認する事が重要です。
中古の場合は、修繕積立金や管理費の未納はないか、日常の小修繕や大規模修繕工事は計画的に実施されているか、また今後の大規模修繕工事の費用は十分なのか等、厳しくチェックする必要があります。
マンションは新築時から時間が経過するのに比例して建物や設備が劣化していきますが、この劣化分は税法上「減価償却費」として経費に計上できるようになっています。

⑧中古マンションの特定承継人責任とは

中古マンションを購入する場合に、前の持ち主に管理費などの未納がある場合、新たに購入した方が支払う必要があります。これを「特定承継人責任」と言います。
中古マンションを買い取って販売する会社の場合は、この問題もクリアされている事が多いですが、個人で売りに出しているマンションの場合は、管理費や修繕積立金などの未納がある場合には重要事項説明の際に説明される事になっています。

⑨新築・中古ともに「立地」が重要

新築・中古も共通で重要となってくる事は、ずばり「立地」です。立地は新築・中古関係ありません。最も重要な要素のひとつです。
どんなマンションでも時間の経過とともに劣化していきますが、駅からの時間や最寄り駅からターミナル駅や都心までの時間は劣化しません。マンションの中で不変なものはその「立地」であり、資産価値にも大きく影響します。
逆に再開発や交通機関の発達よってより利便性が向上して「優化」する場合もあります。
また新たな商業施設の開業や訪日外国人の増加などで人気・需要が拡大し地価・不動産価格が上昇するエリアもあります。
「新築・中古」はそれぞれメリットがあるので自分の資金計画にあった物件を検討し、「立地」は将来性の高いエリアを選択する事が重要ではないでしょうか。

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